
今回は、トレードをしていく上で厄介なダマシの回避のコツについて解説しています。
・そもそもなぜダマシに合うのか?
・ダマシを回避する方法は?
このような悩みを解決していきます。
ダマシとは、テクニカル分析において売買サインが出たものの、相場がそのサインとは全く逆方向に動いていく事を言います。
このダマシを回避する方法としては、
・ブレイクアウト1発目を狙わない
・他のテクニカル指標と組み合わせる
・他の通貨ペアを確認する
主にこの3つが有効になってきます。
それでは詳しく説明していきます。
目次
ダマシが発生する原因
ダマシが起こる理由として色々ありますが、
・ブレイクアウトを狙った人が十分利益をとれて決済することにより逆方向へ進んでしまう
・ダマシを狙ってエントリーした人が多くいた
・ブレイクアウトを確認してエントリーしたけど逆行したことにびっくりして損切りした
など、理由はたくさんあります。
ダマシが起こるタイミングは、多くのトレーダーが注目している時間帯が多く、それは同時に、多くのトレーダーがダマシに引っ掛かってしまう事を意味しています。
「ダマシが起こる理由」=「多くのトレーダーが注目している売買のサイン」
といった見方が多く考えられます。
ダマシの回避方法
残念ながらダマシを回避する魔法もなければ、ダマシをなくすこともなかなか難しいです。
回避する魔法はないですが、ダマシにあう回数を減らすことは可能です。
3つ紹介します
ブレイクアウト1発目を狙わない
ブレイクアウト一発目に飛び乗らないというのは、意識されていた抵抗線を抜けてきた場合でも、それがダマシである可能性があるからです。
勢いよく抜けた場合、エントリーしたくなる気持ちはわかります。
・ここでエントリーすれば大きくとれるのではないか
・ルールにはあてはまらないけど、エントリーしないとチャンスを逃してしまうのではないか
という焦りからエントリーの根拠が薄くても、エントリーしてしまったことがあるのではないでしょうか。
しかし、ローソク足が抜けた後、今までレジスタンスライン(あるいはサポートライン)として機能していた水平線がロールリバーサル(役割転換)してポイントの役割が逆転しているかを確認することが大事なのです。

サポート、レジスタンスの切り替わりを意識してみると、より精度の高いトレンド判断ができますし、
逆転した役割を確認できた後、トレンド方向にエントリーしていくことでダマシを回避しやすくなります。
また、ロールリバーサルを待たずにエントリーする場合には、ローソク足の勢いというのがとても大切になってきます。
ブレイクするローソク足が実体でしっかり抜けきったのを確認して2本目のローソク足以降でエントリーすることが考えられます。
この際、ブレイクの確認は、ラインを引いた時間足のローソク足で確認してください。
例えば、1時間足でラインを引いているのに、15分足でブレイクを確認しても根拠としては弱いです。
1時間足の実体ベースで勢いよく抜けたのを確認して、15分足でタイミングを計ってエントリーというのがベストだと思います。
その上で、1回目のブレイクでエントリーせずこらえた結果、
「やっぱりブレイクした方向に伸びた」ということももちろん考えられますが、仕方ないと割り切りましょう。
他のテクニカル指標と組み合わせる

ダマシをできるだけ避けるためには、複数のテクニカル指標をチャート上に表示させ、複数のツールを組み合わせいくと良いです。
指標分析も得意な相場、苦手な相場があるので、テクニカル指標を単体で使うことは、時として売買タイミングを計る判断材料として信頼性に欠ける場合があります。
そのため、得意な相場、苦手な相場、それぞれの特徴を活かしながら複数の分析手法を組み合わせることで、
予測精度の向上が見込めます。
例えば、RSIが買い(売り)のサインを出していても、他のテクニカル指標では同様のサインが出ていないかもしれません。
もし、RSIだけをチャートに表示させて、他のテクニカル分析を全く行っていなければそのことには気づけません。
しかし、RSIだけでなく同時に移動平均線を使っていれば、RSIの発するサインがダマシだと気付くかもしれません。
RSIが買い(売り)のサインを出したとき、移動平均線を確認してみると、移動平均線はトレンドの真っただ中を示している。
このようなケースでは、安易にRSI単体を見てダマシに乗って行動してしまうことはないでしょう。
もちろん、多くのテクニカル指標をチャート上に表示させれば相場判断に迷いが生まれることもあり、メリットばかりではありません。
個人的にも相場をシンプルに見るために、インジケーターは少なければ少ないほど良いと思っています。
ですが、信頼を置けるテクニカル指標を組み合わせて使うことは、ダマシを避ける上では非常に有効で重要なことです。
ぜひインジケーターの特徴を調べてみてください。
他の通貨ペアを確認する
似ている通貨ペアを一緒にチャートで分析をすることで、ダマシを回避させる方法もあります。
世界経済は連動しており、全ての通貨はつながっているので、別々の通貨であっても、ある程度同じような動きをする通貨ペアがあります。
例えば、AUD/USDとNZD/USDはオーストラリアもニュージーランドも共に資源国であり隣国ということもあって、経済的に深い関わりがあります。
特にニュージーランドはオーストラリアが最大の貿易相手国であるため、
オーストラリアの景気悪化はニュージーランド経済にも影響を及ぼし、
豪ドルが下落するとNZドルも下落しやすい傾向にあります。
また、逆にオーストラリア経済が好調でオーストラリア企業が輸入を増やした場合、その恩恵を真っ先に受けるのがニュージーランドです。
そのため、両通貨の連動性は高くなっています。
AUD/USDとNZD/USDでのダマシ回避方法として例に挙げると
AUD/USDがレンジを上方向にブレイクしたとき、NZD/USDがすでに上方向へ大きく動いているようなら、
AUD/USDも大きく上がることが予想できますよね?
あらかじめNZD/USDの値動きを確認することで、
AUD/USDのブレイクアウトが本物かどうかを判断する材料となります。
AUD/USDとNZD/USDに限った話ではないのでいろいろな通貨で検証してみてください。
ダマシにあった場合の対処法

FXはダマシが頻繁に起こるため、残念ながらその値動きに翻弄されてしまうトレーダーが多いです。
1番良い方法としては、ダマシに引っかからずトレードを行えればいいのですが、必ずしもダマシを回避しないといけないというわけではないのです。
ダマシはダマシで終わるのか、本当に勢いのあるトレンドになるのかは誰にも分かりません。
特に意味もなくダマシが発生してしまうこともあるので、完全に読みきるのは不可能に近いのが現実です。
問題はダマシを回避する方法より、
ダマシだと気づいたときに適切な対応がとれるか?
ということだと思います。
適切な対応とは、しっかり損切りできるかということです。
ひょっとしたら元のトレンドに戻るかも、と淡い期待を抱いてしまいがちですが、割り切って、次のチャンスを待ちましょう。
勝ってるトレーダーと、負けてるトレーダーの違いは、ダマシで損切りした後の行動だと思います。
負けているトレーダーは負けた後、マイナスの感情のまま、負けた分を取り返したいと考えてしまいます。
損切りを行った後に何の根拠もなく、損切りした逆方向にエントリーしたりと暴走トレードを行ってしまいがちです。
私もよくやってました……(汗)
これでは、投資ではなくギャンブルになってしまいます。
一方で、勝ってるトレーダーは「損切りも経費の一部」と考えて割り切っているため、損切りした後も暴走することなく、感情を持ち込まずトレードを行います。
ダマシを回避することは難しいですが、ダマシだと気づいたときに適切な損切りを行い、
根拠ある「次のトレード」を繰り返せばトータルで利益は自然と積み上がっていきます。
まとめ
相場に100%はありません。
やれるだけのことをやり、ダメな場合はきちんと損切りして割り切る。
結局これがダマシに対する一番のマインドセットだと思います。
ご自身でも色々検証してみて、自分なりのルールを確立してもらえればと思います。
それでは今回は以上です。
ありがとうございました。