今回は、FXトレードをする際にロットは固定するべきか、それともトレードごとに変動させるべきかについて解説していきます。
このあたり結構悩まれているトレーダーが多いのではないでしょうか。
結論から言うと、私個人的にはロットは固定してトレードした方が良いと思っています。
ただ、固定ロット、変動ロットそれぞれにメリットデメリットがありますし、トレードルールによるところも大きいので、最終的には各自のリスクに対する心地良さ(変な言い方ですが…)によると思います。
目次
FXとはpipsを積み上げるゲーム
大前提として、FXとはどのような金融商品でしょうか?
今回のロットという話に絞ってアプローチしてみると、
・pipsを積み上げるゲーム
・pips×ロット=利益
と私自身は考えています。
ある程度安定して勝てるようになってくると、一定期間にどのくらいのpipsを稼げるかはわかってきます。逆に言うと、このpipsの部分はそんなに大きくいじることはできません。
であれば、稼ぐ金額を大きくするにはロットを大きくしていくしかないということになるわけです。
変動ロットはリスクを管理しやすい
そこで考えられるのが変動ロットです。
変動ロットというと、通常は口座資金の〇%を損失「額」として固定し、損切り幅に合わせてロットを調節する方法です。
例えば、口座資金100万円で損失許容額を口座資金の5%の5万円とした場合、エントリー価格から損切りまでの幅が50pipsだとすると、1ロット(10万通貨)でトレードするということになります。
このような変動ロットであれば、口座資金が増えればそれに合わせてロットも大きくなるので利益を伸ばしやすく、口座資金が減ればロットは小さくなるので大きく溶かすリスクも減少します。
また、損失額も最初からはっきりしているのでリスクも呑みやすく、リアルトレードを始めて間もない人にはおススメかもしれません。私も最初のころは変動ロットで、口座資金の3~5%くらいを損失許容額としてトレードしていました。最初は、口座資金の1%くらいでやるのが良いと思います。
変動ロットはマネープレッシャーに耐えられない
このようなメリットが変動ロットにはあるのですが、これが同時にデメリットにもなります。
どういうことかというと、変動ロットはつまり複利で運用するということであり、安定して利益を挙げるほどその損失額が加速度的に大きくなっていきます。
口座内の利益や損失をただの数字と見れるくらい無の感情でトレードできるようになればいいのかもしれませんが、普通の人はマネープレッシャーに耐えられなくなります。
耐えられなくなった結果、トレードが怖くなってトレードができなくならまだいいのですが、たいていは冷静な判断ができなくなり、チキン利食いや変なポイントでのエントリー、損切りができなくなる等のルール違反で資金を溶かしてしまいます。
これは持論ですが、人間のメンタルなんてそう簡単に強くなるものでも鍛えられるものでもないと思います。できることは、メンタルが悪くならないような仕組み作りや悪くなったときの対処法を考えることだけだと思っていた方がいろいろと都合が良いのではないでしょうか。
他の金融商品であれば安定して利益を出せても年利数%とかなので、複利で運用しても特に問題はないと思いますが、FXはレバレッジを掛けられる分、月利で簡単に10%とか超えちゃいます。なので、FXは完全な複利で運用するには精神的に少しキツイ金融商品なので、変動ロットでやり続けるのは賛成できないというわけです。
また、損失を出した際にも少し問題があります。
例えば、先ほどの例のように口座資金100万円で損失許容額を5%とし、リスクリワード1:2のトレードをするとします。この場合に、2連敗すると10万円の損失となり、口座資金は90万円となります(わかりやすいように少し単純計算してます)。すると今度はこの90万円に対して5%なので損失許容額は4万5000円、利益はその2倍の9万円となり、元の金額にはまだ戻りません。
このように、変動ロットでトレードして連敗した場合、元の金額に戻すに少し時間が掛かるという問題があります。これもメンタル的に少々シンドイものがあります。
あと個人的な意見ですが、変動ロットはその都度計算するのが面倒です(笑)。
これが本当の理由かもしれません……。
固定ロットはシンプル思考
まあ冗談はさておき、固定ロットだとこの辺がシンプルに考えられるようになるんですよね。
獲得できるpipsはある程度決まっている。であれば、自分が満足できる金額を稼げるだけのロット数にすれば良いだけです。
私の場合ですと、月に平均したら200pipsほど稼げるので、100万円欲しければ5ロット(50万通貨)という計算になります。
なので、あとはFXというゲームの原則通り、pipsを積み上げていくだけです。これは利益だけでなく、損失についても言えることであり、pipsで全部管理することができるので、必要以上に金額の増減に惑わされる可能性は減少するのではないでしょうか。
連敗した場合の変動ロットの問題点も、先ほどのように例えばリスクリワード1:2の場合、2連敗であれば1勝で、4連敗であれば2連勝で取り返すことができ、この点でもシンプルに考えることができます。
以上のような理由により、個人的には固定ロットをおススメしますが、最初にも言ったように、これは個人の感覚の要素も大きいです。なので、それぞれのメリットデメリットを考慮した上で、あとは自分の感覚と相談して決めるべきだと思います。
なお、固定ロットでやる場合にも資金管理は徹底する必要があります。変動ロットの場合はそれ自体が資金管理の役目を果たしますが、固定ロットの場合は資金管理をまた別途考える必要が出てくるので注意が必要です。
ただ、それもトレードルールを作ってロットサイズを決める段階で決定することなので、それ以降はあまり難しく考える必要はないのかもしれません(自分で決めた資金管理ルールを守ることは前提ですが)。
ロットを大きくする場合にはデモトレードがおススメ
ところで、安定したpipsは出せるけどまだ資金が少なく、満足できる金額を稼ぐには少しずつロットを大きくしてかなきゃいけない場合や、単純に上を目指す場合、どのようにロットを大きくしていくのが良いのでしょうか。
このような場合、リアルトレードと並行してデモトレードで今より少し大きめのロット数で練習するのが良いと思います。やはり固定ロットといっても多少のマネープレッシャーは掛かるので、その数字の変動に慣れておく必要はあると思います。
このデモトレードの期間は、スキャルなら1か月、デイトレなら3か月、スイングなら半年くらいでしょうか。あくまで目安だと思ってください。
まとめ
- 最初のうちは変動ロットもあり
- ロットが多きくなってきたら固定の方がシンプル
- 固定ロットでもすこし大きくする際はデモトレードがおススメ
ただし、以上の話は、バックテストやフォワードテストを通して期待値がプラスのトレードをすることができることが前提となっています。
この辺の検証が曖昧なままロットは固定が良いか変動が良いかを議論しても無意味だということは理解しておいてもらいたいと思います。
それでは今回は以上です。
ありがとうございました。