
今回は、エリオット波動の肝であるフラクタル構造について説明していきます。
フラクタル構造は、マルチタイムフレームの考え方を基礎にしています。
なので、エリオット波動以外のトレードとも相性がよく、損小利大のトレードにも有益になってきます。
マルチタイムフレームを上手く使えない方や損大利小になりがちな方のヒントになる思います。
目次
エリオット波動のフラクタル構造を理解するためのマルチタイムフレーム

マルチタイムフレームは、複数の時間足を使ってトレードする考え方です。
一般的には、長期足のトレンド方向を確認して、短期足が同じ方向になったときにタイミングを合わせてエントリーするという方法があります。
具体的には、月足や週足、日足、4時間足などの長期足のトレンドを確認して、1時間足や15分足などでタイミングを計ってエントリーします。
そして、このようなマルチタイムフレームの考え方は、実はエリオット波動ととても相性が良いです。
むしろ絶対に取り入れてもらたい内容です。
エリオット波動の一つの特徴として細分化(フラクタル現象)というものがあります。
この細分化こそ、マルチタイムフレームの考え方を利用して、エリオット波動で利益を挙げていくコツとなります。
エリオット波動というと、波形のパターンや転換が注目されがちですが、
このフラクタル現象を意識した方が、稼ぐという観点ではとても有効です。
エリオット波動のフラクタル構造(細分化)

まずは、推進波の確認からしていきます。
推進波は5波動からなり、1波、3波、5波はトレンド方向に、2波と4波はトレンドと逆方向に動いていきます。
この1・3・5波を細分化すると、それぞれ推進5波動を形成します。
また、2波を細分化すると調整3波、4波を細分化すると調整5波というのが一般的なパターンです。
1波(推進5波)→2波(調整3波)→3波(推進5波)→4波(調整5波)→5波(推進5波)
推進5波の細分化

調整3波の細分化

これを具体的な時間足で考えると、
例えば日足の推進波を細分化して4時間足を見てみると、
・日足:1波→2波→3波→4波→5波
・4時間足:推進5波→調整3波→推進5波→調整5波→推進5波
となります。
実際のチャートも交えた詳しい説明はこちら↓↓↓
このようなフラクタル現象を上手く利用することにより、決済の意思決定にも役立ちます。
例えば、日足の上昇の3波を取ろうとエントリーしたあとに、
4時間足で推進の4波をつけて5波をつけたあと戻し始めたら、
調整波に移行するかもという判断ができるので、
そこで決済をして利益を確保することができます。

一方、一般的なダウ理論で考えた場合、トレンド転換で決済と考えると、
日足の4波、つまり4時間足の調整波のうち安値を更新するc波で決済になると思います。

この場合、利益が大きく目減りする可能性があります。
つまり、細分化することによりおおよそのターゲットがわかることになります。
また、エントリーについても3波が進み出して、どこでエントリーしようかというときに、
細分化したときの3波の初動でエントリーすることができます。
このようにエリオット波動は、マルチタイムフレームの考え方を使って細分化を上手く利用することができれば、
エントリー、決済ともに有利にトレードをすることができます。
なお、このフラクタル構造を利用したトレードをする際には、
月足や週足から見ていくことをお勧めします。
FXで月足から見るトレーダーは少ないかもしれませんが、
月足や週足で明確な推進波が発生していた場合、しばらくの間ボーナス相場といっても過言じゃありません。
このような相場では少し長め目に保有することによって、簡単に数百pipsの利益を挙げることができます。
逆に月足や週足の方向性がよくわからないときは、最初のうちはトレードしない方が賢明です。
わかる相場でだけトレードしましょう。
慣れてくれば、そのような相場でも保有時間を短くしてデイトレや短期間のスイングで稼ぐこともできます。
フラクタル構造を活用したエリオット波動トレード

3つの時間足を確認
そんな中、私がトレードするときは、この時間足について3つの時間足が同方向になっていることを重要視しています。
例えば、確認する時間足の組み合わせとしては、
・日足→4時間足→1時間足
・4時間足→1時間足→15分足
・1時間足→15分足→5分足
といったイメージです。
具体的なエントリーまでの流れとしては、
①長期足(主軸足)でトレンドの勢いを確認
↓
②中期足で波動確認(推進の3波か5波狙い)
↓
③短期足の3波の初動でタイミングを合わせてエントリー
このように3つの時間足を確認してエントリーをしています。
どの時間足の組み合わせでエントリーするかは相場によります。
例えば、日足の方向性がはっきりしていなくても、4時間足で勢いのあるトレンドが発生していたら、4時間足を主軸足として15分足でエントリーします。
最近は、ゆったりトレードしたいので、主軸足を日足にして1時間足でトレードすることが多いですね。
次に、この3つの時間足を確認する際に、重要なポイントを説明します。
長期足は勢いを確認
まずは、長期足(主軸足)では、推進波であるかを確認してください。
このときローソク足がオーバーラップ(ローソク足が重なり合った状態)していないことも確認してください。
なので、この推進波自体が1波なのか3波なのか5波なのか判断できればそれに越したことはないのですが、
オーバーラップせずに勢いさえあれば問題ありません。
ベストなタイミングとしては、オーバーラップした調整波をブレイクしたあとですが、とりあえず勢いがあればOKです。
中期足でエリオットカウント
次に中期足では、エリオットカウントをします。
長期足の勢いがしっかり出ていたら比較的カウントはし易いはずです。
もし、カウントが難しかったら長期足の勢いについて判断を誤っている可能性があります。
短期足でタイミングを図ってトレード
そして、短期足ではタイミングを合わせてエントリーするのですが、狙うのは中期足の2波や4波が終了したあとの3波や5波の初動です。
これは中期足の3波や5波を細分化して、短期足の推進波の3波の初動を狙います。
この部分は、インジケーターなどを使ってある程度ルール化したり(例:一目均衡表の雲抜けでエントリーなど)、
裁量で意識されているサポレジラインなどを考慮しても良いと思います。
決済のタイミングとしては、短期足の5波が終了したタイミングですれば良いと思います。
これにより中期足の3波もしくは5波をほぼ全部取れることになります。
このようにしてトレードしていくので、週足や日足のトレンドがはっきりしない場合でも、勢いのある時間足を主軸足としてトレードすることができます。
もちろん最初のうちは無理して短い時間足でトレードする必要なんてないですし、
するとしても早期撤退を念頭に置くなど適宜裁量を入れながらトレードするが良いと思います。
また、今回紹介した3つの時間足を使ったマルチタイムフレーム分析を利用したロジックを学習できる教材もあります。
こちらは、エリオット波動を前面には押し出していませんが、そのエッセンスを含んだロジックになっているので、
エリオット波動トレードの入門としてや初心者の方におススメの教材です。
まとめ
・最低でも3つ時間足のトレンドを確認する
①長期足(主軸足)は推進波であることを確認
②中期足は波動カウントして3波や5波を探す
③短期足でタイミングを計ってエントリー
④短期足の5波終了で決済
FXで稼ぎ続けるためには、できるだけ損を小さく、利益を大きくする「損小利大」のトレードを目指す必要があります。
この損小利大のトレードのためには、マルチタイムフレームの活用が絶対条件になってくると思います。
まずは、マルチタイムフレームの考え方をしっかり理解して、後半で紹介した具体的な活用法を参考にしていただければと思います。
さらにエリオット波動について学習したい方はこちらの書籍がおススメです。
それでは今回は以上です。
ありがとうございました。