
今回は、エリオット波動の基本的な特徴について解説していきます。
・エリオット波動の全体像を知りたい
・チャートパターンの復習をしたい
このような方の参考になると思います。
エリオット波動は、推進波というチャートパターンと調整波というチャートパターンで構成されています。
このエリオット波動で利益を上げていくためには、推進波と調整波の特性を理解することが大切になってきます。
そのためには、まずこの推進波と調整波のチャートパターンを覚えることをおススメします。
目次
エリオット波動の基本形
エリオット波動には、トレンド方向に動く推進波とトレンドとは逆方向に動く調整波があります。

まず推進波について見ていきますが、これを細分化すると5つの波動で構成されます。
1波、3波、5波がトレンド方向の動き、2波と4波が調整方向の動きとなります。
調整波は、abc(de)の3波動(5波動)で構成されます。
この推進5波調整3波というのが、エリオット波動の基本形です。

ただし、これ自体を覚えるというよりは、推進波のチャートパターンと調整波のチャートパターンの組み合わせで相場は出来上がっており、それを読み解いていくのがエリオット波動である、という認識の方が利益を上げていくには正確だと思います。
推進波と調整波の細分化
エリオット波動で利益を上げていくためには、細分化(フラクタル現象)という理解が欠かせません。
まず、推進波ですが、先ほど書いたように5波動で形成されます。

このうち、1波、3波、5波を細分化すると、同じく推進5波動を形成しています。
一方、2波と4波は調整の3波または5波を形成します。
次に調整波ですが、a波は推進波として3波動または5波動を形成し、b波は調整波として3波動または5波動、そしてc波は必ず推進の5波動を形成します。

推進波の特徴
- 3波が最も大きくなることが多い
- 3波が推進波の中で最も小さくなることはない
- 1波の始まりを2波は超えない(ヒゲ先も抜けることはない)
- 2波は深く戻すことが多い
- 2波と4波のパターンは同じにならない(2波が簡単なパターンの場合、4波は複雑なパターンになる=オルタネーション)
- 4波は1波を超えてこない(オーバーラップしない)
- 1波、3波、5波のいずれかでエクステンション(延長)する場合がある
- エクステンションしている推進波は細分化された波形がはっきりとわかる
- 5波は基本的に3波を超える
- 例外として、3波を超えないパターン(フェイリャー)や複雑なパターン(ダイアゴナルトライアングル)を形成する場合もある
- 5波は推進波の終わりであり、転換のサイン
調整波の特徴
- 調整波は簡単なパターンと複雑なパターンの2種類がある
- 簡単なパターンはa,b,cの3波で形成
- 複雑なパターンはa,b,c,d,eの5波で形成(トライアングル)
- a波は3波か5波を形成する
- b波は3波か5波を形成する
- c波は必ず5波を形成する
ジグザグコレクション

- b波はフィボナッチ指数61.8より上になることはない
- a波は5波、b波は3波、c波は5波を形成する
- a波とc波の比率が1:1になることが多い
フラットコレクション

- b波はフィボナッチ指数61.8を超える
- a波は3波、b波は3波、c波は5波を形成する
- a波よりもc波が伸びることが多い(a波が1だとするとc波は1以上)
イレギュラーフラット

- b波はa波を超えることがある
ランニングフラット

- b波はa波を超えることがある
- c波がa波を超えないことがある
トライアングル

- すべて3波に細分化される
- いろいろなパターンが存在する
トライアングル

- 上昇の場合は上が、下降の場合は下が水平に支えられる
ペナント

- 上下どちらも狭まっていく(三角持ち合い)
逆ペナント

ダイアモンド

- 頻繁に出現するものではない
ボックス

- 横ばいに推移する(レンジ相場に近い)
- 3つの山と谷をつけるのが特徴
フラッグ

- 平行に下落(上昇)していき、フラッグをブレイク後、上昇(下落)する
- 調整5波で比較的多く発生する
- チャネルラインに収まる
ウェッジ

・フラッグと違い先細りになっていく
・ペナントと間違えやすい
推進波のイレギュラーパターン
ランニングコレクション

- 2波が戻すことなく3波に突入する
- 相場に勢いがある場合に発生する
フェイリャー

- 3波を更新せずに下落し、調整波に移行する
- 相場に勢いがない場合や、1波が非常に長い場合に発生する
ダイアゴナルトライアングル

- 先細りになり、その後急落する(大きくトレンド転換する)
- 細分化した場合、1波と4波が重なることが例外として認められる
ダイアゴナルトライアングルの細分化

- 推進波の方向に進むが調整波の波形になる
- 細分化すると全て調整a,b,c波動になる
調整波のイレギュラーパターン

- X波動が入ることによって、調整波が続くことがある
- X波動は3波で形成されており、戻しのトレンドの継続のサイン
ダブルジグザグ・トリプルジグザグ

- 調整波が繰り返されるのは3回まで
- ダブルジグザグは7波で形成され、トリプルジグザグは11波で形成される
- X波動が入った波動回数は、この2種類のみ
ダブルフラット・トリプルフラット

- 調整波が繰り返されるのは3回まで
- ダブルフラットは7波で形成され、トリプルフラットは11波で形成される
- X波動が入った波動回数は、この2種類のみ
C波のイレギュラーパターン

- 先細りになり、その後急落する(大きくトレンド転換する)
- 細分化した場合、1波と4波が重なることが例外的に認められる
- 推進波だが細分化すると全て調整a,b,c波動になる
まとめ
ここまでエリオット波動のチャートパターンを一通り紹介してきましたが、大切なのはこのチャートパターンを実際のチャートで認識できるようなることです。
また、認識できたチャートパターンを細分化し、さらにチャートパターンで相場が形成されていることが認識できるようになれば、エリオット波動で実際に利益を上げていくことができるようになります。
これが最初はとても難しいのですが、ここは何回も練習するしかありません。
根気強くチャートパターンを覚えては、実際のチャートに当てはめて細分化もしてみる、これを繰り返していくと次第にチャートの見え方が変わってきて面白くなってくると思います。
ぜひ今回の内容を取っ掛かりにエリオット波動を学習してみてください。
それでは今回は以上です。
ありがとうございました。